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知的な障害があったり、身体の障害があったり、そんなみんなと一緒に過ごし、暮らしてきました。その我が家を建て替えることになって、いろいろ調べてみたら・・・!
「介護しやすい家」や、「支援のしやすい家」、そして「パリアフリーの家」ばかり。一緒に過ごしたり、一緒に暮らしたり、つまりは一緒に風呂に入って、一緒にご飯を食べて、一緒に眠って・・・、という家は、まるで想定されていないのです。
それなら、そんな家を建ててやれ、ということで我が家の建替えが始まりました。これは、その様子を同時進行でお見せするブログです。

家のコンセプトは、「介護でも支援でもなく、僕たち一緒に暮らそうの家」です。それはつまりありふれて、普通の、街にとけ込んだ一軒家。

障害を持つ人の暮らしを考えたときに、どうして普通の家は想定されていないんだろう。どうして普通の家族や同棲や「一緒に暮らそう」は想定されていないんだろう。
そんなことを考えながら、更新していきます。
どうぞお付き合いください。

2009年03月22日

階段には踊り場

裕子さんもそうなのですが、歩く時に足元を見ようとしません。ですから時々階段を踏み外して落ちることがあります。道を歩いていても転ぶことがあります。
同じように足元を見ないで歩く人はけっこういると思うのですが、これがけっこう問題になることが多いのです。一般的なイメージとして、ちゃんと足元を見て危険を察知し、自分の向かう先をちゃんと見据えて進むことが良いとされています。
たとえば裕子さんは、足元を見ないからといって、前方の目標を見据えているわけでもないようです。向こうに目指すもの、缶コーヒーの自販機などを見つければそれを目標と見て突進していきますが、そこまでの道のりの安全のために目で見た情報が使われるわけではないのです。
ちょっと大袈裟にいうなら、歩くという足の働きと、目で見て安全を確保するという機能が連動していない感じなのです。
では、裕子さんはまったく安全を考えずに歩いているのかというと、そういうわけではありません。目で見るという「視覚」での安全確認ではなく、足での「触覚」での安全確認はそれなりにやっているのです。床にいろいろ置かれている場所では、摺り足に近い歩き方になったり・・・。
今の人間の社会においては、「触覚」よりも「視覚」が高級なイメージでとらえられています。「視覚」は目標設定とそれに向けての計画づくりという「知性的」な行為の基礎になるものですから。

ちゃんと福祉や教育などをやっている人からは大顰蹙を買うかもしれませんが、僕はその「視覚」優位の知性的な行為がすべてだとは思っていません。そして、とっても場当たり的で計画性に乏しい「触覚」優位の生き方も、けっこう良いものだと思っています。
考えてもみてください。僕らはどんなに頑張っても、完璧な目標設定や計画づくりなんて出来っこないのです。かならずナンパーセントかの間違いを目標や計画に孕んで、実行してしまっているのです。その誤りの蓄積が、人間が知性を働かせるようになってからずーーーーっと、世の中には堆積してしまっているのではないか・・・と。
その点、場当たり的な、「視覚」での安全にとらわれない裕子さん的な歩き方は、当人が転ぶことはあっても社会への過ちの蓄積はさせません。
「一緒に暮らそうの家」では、裕子さんたちの「触覚」優先、場当たり的な生き方を大切にして、共有しようと思っています。

と、前書きが長くなって下の写真です。
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階段の折り返しですが、いわゆる踊り場を設けました。ここも段にすれば、階段数を稼げるし、それによって一段ごとの高さがもう少し低く出来るのですが、フラットな踊り場を選択しました。
裕子さんの足の裏が覚えている階段のイメージは学校やデパートなどです。「折り返しはフラットな踊り場」に慣れているので、目で確認しない裕子さんはそこに段があると躓いてしまうのです。

前を見て、ちゃんと状況を把握して、というようなことを教えたいとは思いません。それよりも今まで通り、場当たり的な生き方を大切にしてほしい。そのために安全な家の作り方を考えました。
「視覚」に頼らずに足の裏の「触覚」で歩く裕子さん。実はそういう生き方なので、真っ暗な部屋でも迷い無く歩き回ることができるのです。ついつい「視覚」に頼ってしまいがちな僕らには、ありがたいパートナーなのです。
この記事へのコメント
踊り場ですか…
私も学校時代を思い出しました!!
私も下を見ないで歩いたりしてました、昔… ^^;
Posted by たかびごん at 2009年03月25日 20:32
みんなのことを考えていると、忘れていた自分を思い出したり、気づかなかった自分を発見したり・・・。
今回の建替えは、本当に貴重な体験です。
Posted by 五十嵐正人 at 2009年03月28日 03:15
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